剧情

　　一人でも多くの人に“落語”に出会ってほしい。みんなで集まって笑うことの素晴らしさをわかってほしい。そんな想いから『映画館落語』が生まれました。一作目には歌丸師匠、小遊三師匠。二作目には円楽師匠、昇太師匠にご出演いただき、映画館のフルスクリーンならではの臨場感、寄席の雰囲気をそのままに再現し、空気感をも味わってほしいと制作してまいりました。 　　そして今回第三弾。新しい切り口で、子供から大人まで楽しめる『映画館落語』とはなんだろうかと模索していたところ、板屋監督と出会いました。落語家の私から見る落語ではなく、まったく違うところから見たときに見える“落語”の魅力に気づかれ、書いてもらった台本を読んだ時、感動で心が震えました。私が常日頃、落語を演る時に、心に秘めたメッセージと同じものが、そこにありました。 　　様々なことが慌ただしく流れていく現代。立ち止まって考える時間もなく、ただただ流れの中に身を置いているような毎日。直接会わなくてもコミュニケーションが取れる便利な世の中なのかもしれませんが、何か大切なことを忘れているような気がするのです。 　　それを気づかせてくれるのが“落語”だと思っています。肩寄せ合いながら暮らしているとわずらわしいこともあるでしょう。でもそのわずらわしさの先にあるのが人の情けであり、温かさであり、愛だと思っています。 　　落語国の住人たちは、日々精一杯生きています。ケンカをしたり、失敗をしたり、泣いたり、笑ったり。私たちに生きることの素晴らしさを教えてくれます。 　　落語に出会ったお蔭で、人生が豊かになりました。せちがらい世の中です。『もういちど』共に生きる楽しさを思い出していただけたら嬉しいです。お父さんの、お母さんの横に子供が。おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にお孫さんが観てくれたら最高に幸せです。