娚の一生
(2014)
「軽蔑」「きいろいゾウ」などさまざまな愛の形を映し出してきた廣木隆一監督のメガホンで、西炯子氏の人気漫画「娚の一生」が実写映画化されることが決定し、初共演となる榮倉奈々と豊川悦司が主演を務めることがわかった。ふたりが廣木作品で主演を飾るのは、榮倉は「余命1ヶ月の花嫁」以来約5年、豊川は「やわらかい生活」以来8年ぶり。再タッグが実現した廣木監督とともに、大人の濃密なラブストーリーに挑む。 榮倉は才色兼備でありながら素直になれずにいるつぐみ、豊川は50歳を過ぎても独身を貫くモテ男・海江田を演じる。初顔合わせとなったふたりだが、「喜びと緊張が入り混じり合った気持ちです。大きな懐に飛び込ませてもらうつもりで全身で頼らせていただきたい」(榮倉)、「役を通して、僕自身も、役の向こう側の榮倉さんご自身に、恋をしていきたいと思います。ともに手をとりあって、この物語を紡いでいきたい」(豊川)と語った。 「だいじょうぶ3組」などでも廣木組に参加してきた榮倉は、「再びお仕事させてもらえる事に、喜びと興奮と緊張で心が忙しい日々を送っています」と充実感をにじませ、「凝り固まった心が解けるような奇跡的な体験が待っているような期待に胸を膨らませつつ、緊張感を保ちながら、最大限頑張らせていただきたく思っています」と気を引き締める。豊川も「久しぶりのラブストーリーなので、どっぷりと恋というものに浸りたい」と意欲満々。「『娚の一生』のお話をいただいた時も、廣木監督が撮るということが大きな決め手でした」と信頼を寄せ、「小さくて優しい物語です。ささやかだけど温かい映画になると思います。悪い人はひとりも出てきません(笑)」とアピールした。 廣木監督は、「西さんが描く人物像は広い世代に通じる日本文化的なもの」と原作を分析し、「読んですぐにお二人の顔が浮かんだ。榮倉、豊川でこの映画が見たくなった。いや、撮りたくなった」と吐露。そして、「現実を忘れて一時、僕たちの流れて行く時間に付き合って下さい。いや、一緒に共有しましょう。所詮、世の中、男と女、いや、女と男しかいないのですから。『男の一生』も『女の一生』も誰か(何か)に巡り会うもの。そんな映画になればいいと思います。そんな想いが一杯詰まった映画です」と思いをこめた。 原作は、2008~10年に漫画雑誌「月刊フラワーズ」(小学館刊)で連載され、単行本(全4巻)の累計発行部数150万部を突破したベストセラー漫画。幸せをつかめずにいる女性、恋愛を拒んできた男性が、共同生活を送るなかで愛を見つめ直す。「このマンガがすごい!2010(オンナ編)」で6位に選出されるなど、女性からの支持が熱い。 祖母の死をきっかけに、東京から田舎の一軒家に移り住んだつぐみ。つらい恋愛を経験したつぐみの前に、祖母を慕っていたという大学教授・海江田が現れ、強引につぐみの家に住み込むようになる。最初は海江田のアプローチに戸惑っていたつぐみだが、次第に心を開いていく。 「娚の一生」は、15年に全国で公開。